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市政トピックス(最新順)

 

<第112回東濃飛騨市議会議長会を開催> (‘06年2月)


 

 2月10日の午後、表記議長会が瑞浪市で開催されました。開会にあたって会長の中道議長は、地方分権の進展に伴い今後の市議会は、二元代表性の一翼となるために監視機能や政策形成機能を高める必要があり、本議長会を情報交換の場として、お互いが切磋琢磨する契機にして頂きたいと挨拶を行いました。詳細は「平成8年2月 東濃飛騨市議会議長会」を参照して下さい。
 会議では「合併特例債及び補助金の運営について」、「瑞恵バイパスの早期実現に向けて」の2つの意見書を採択し、当議長会の慶弔規程を改正する議案と平成18年度東濃飛騨市議会議長会会計予算(案)が可決されました。また、その他の会議の中で、飛騨市議会議長から豪雪による被害状況の報告があり、他市の議長に理解と支援を求める要望がありました。
これに対し中道会長は、この会議で了承が得られるならば本議長会名で国の関係省庁に対し要望書を提出したいと提案しました。提案は全員一致で可決され、要望書の文案は当事者の飛騨市、高山市、下呂市の3市で調整を図ることになりました。
因みに飛騨市は、除雪費の当初予算が1.5億円のところ既に約5億円を支出、高山市は予算が3.5億円のところ既に約10億円を支出しているとのことでした。

 

 

<多治見市名誉市民推挙式を挙行> (‘06年2月)


 2月10日の午前、多治見商工会議所・名誉会頭、坂崎重雄氏の多治見市名誉市民推挙式が行われました。推挙式は多治見市と市議会が主催し、岐阜県知事代理、岐阜商工会議所会頭、国会議員、近隣の市長・議長などの政財界と一般市民約270名が参加し、厳粛に挙行されました。中道議長は西寺市長の式辞に続き、市議会を代表して挨拶を述べました。詳しい内容は「平成18年2月 名誉市民推挙式」を参照して下さい。

 

 

<全国市議会議長会・第80回評議員会を開催> (‘06年2月)


 2月9日、東京の日本都市センターで表記評議員会が開催され、中道議長ら全国約250名の議長が出席しました。会議は前回以降の会務報告と各種委員会の報告に続き、「地方分権改革の早期実現を求める決議(案)」、平成18年度全国市議会議長会一般会計予算(案)、同表彰会計予算(案)、同職員退職基金会計予算(案)が審議され、いずれも可決されました。
 その後、「平成18年度における地方財政の諸問題」と題して、総務省事務次官の林省吾氏が講演を行いました。その主な内容は次の通りです。
「まず現状認識として、年末に決着をみた三位一体の改革で3兆円という目標額を達成したにもかかわらず目的と異なった結果になったことを反省している。一体何のための地方分権か、ということを再検討せざるを得ない状況にある。
これまでは、先進諸国に出来るだけ早く追い付くために、国が補助金を使って公平かつ効率的な政策手段を用いてきた。しかし、国民は今やこれまでのやり方では満足していない。生活が豊かになって価値観が変化し、国民は満足を求めている。だが、全国一律のやり方では国民の満足を満たすことはできないし、また効率的でもない。いま国は国民の価値観が「物から心」へと変化したため、戦後内政の見直しを行っているところだ。
 冷戦が終了した現在、国を取り巻く情勢が変化した。今までのように国は内政に偏重することができない。国が国際的に名誉ある地位を占めるためには、外交による安心・安全や富の創造など、国家政策に特化する必要がある。また内政は、事情の良く分かった地方に任せた方が国民の満足を高めることができるため、三位一体改革で補助金行政を脱皮する必要があった。さらに地方分権を実現するためには、市町村合併を避けて通れない。この2月末に、地方制度調査会は小泉首相に答申を行うが、その内容は恐らく市町村合併を継続しつつ道州制を施行し、そこに権限と財源を移譲し、その後道州から基礎的自治体に権限と財源を移譲するというものになろう。この改革は絶対必要なので、国民的な盛り上げを行いたい。
 そして、税制改革も必要である。今までは先進諸国に追いつくため中央主導でやりたかった。このため、中央が財源の大半を確保し、実際の事業は紐付きで地方が実施していた。しかし、今後は国民の満足度を高めるために、地方の自由で自主的な判断で、地域の実情に合わせた行政、地域の実態に合わせた財源が必要である。
これらの意味から、この度の三位一体の改革は不十分であった。私は財務局長時代、教育問題で地域が元気になるためには地域の実態に合わせた教育が必要であり、教育は地域に任せた方が良いと考え、義務教育費の国庫負担金制度の廃止は必要だと考えていた。しかし、生活保護費等は負担率を変えて済むような問題ではなく、新しい国のあり方を定め、本来のあり方をまず決めてから個々に決定すべきである。また、現状で地方に移譲するには無理があり、生活保護は国の責任でやる必要があると考えていた。福祉や教育など、地方が成果を確認することができるものは、地方に任せる方が良い。そして、地方の自由度が増加しない負担増は基本的に容認できないと考えている。
戦後60年が経過し、自治体の行財政改革は必死に進める必要がある。地域住民の平和と安心・安全、住民本意の福祉向上で満足度を高めるために、住民が歩いて生活ができる小学校区単位でコミュニティを構築し、必要な行政サービスを身の丈に合わせた運営によって提供し、地域住民がこの地域に住んで良かったと言える行政を行って欲しい。」

 

 

<東京ドームでテーブルウエア・フェスティバルを開催> 
(‘06年2月)


2月4日〜12日、実行委員会が主催、経済産業省と日本陶磁器協会が後援のテーブルウエア・フェスティバルが東京ドームで開催されました。本催事は全国の陶磁器産地やメーカーが様々な商品を出展、即売しつつマーケット・リサーチを行おうとするもので、今年で14回目、多治見市は4回目の出店です。
8日、中道議長は西寺市長と共に会場を精力的に視察しました。会場はグランド一杯に各出展ブースが配置され、特に目立つものは佐賀県の波佐見焼、大倉陶園の高級磁器、ヨーロッパの磁器、テーブルウエア・コンテスト、土岐市のどんぶりブース、多治見市のブースでした。波佐見焼は会場入口の店舗の大きさで、大倉陶園は高級感で、どんぶりは個性の豊かさで、多治見は端正さで、それぞれ特徴を出していました。
実行委員会事務局の今田功エグゼクティブプロデューサーによれば、入場者は1日約3万人、期間中約30万人で、その75%はリピーターだそうです。お客の目は厳しく、品質やデザインが良く、さらに物語性がないと売れない。しかも、昨年人気があった商品も今年は見向きもされない。このため、多治見市は今年のプロフェッショナル・コンテストでグランプリを取った青木良太君のような、意匠研究所を卒業した若手作家の作品を展示したら、さらにお客を呼び込めるのではないか、と話していました。なお、同フェスティバルに出展を希望する約60の団体が会場の空待ちの状態だそうです。

 

 

<東濃5市が特別交付税を要望> (‘06年2月)


 2月7日、多治見市、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市の各市長と各議長は、古屋圭司衆議院議員を仲介人として総務省と国土交通省に特別交付税を要望しました。特別交付税とは年度末に国の税収状況や災害費用支出状況を勘案しながら自治体に交付される一般財源(いわゆる紐付きではない財源)です。多治見市は笠原町との合併に伴う職員人件費、電算システム統合費、道路整備費、駅北土地区画製事業費など、約10億円を要望しました。
要望の窓口は総務省自治財政局財政課長ですが、総務省事務次官、官房長、審議官などにも要望いたしました。その後、国土交通省の道路課長、河川課長、防災課長なども交えて情報交換を行いましたが、今年度は緊縮財政の上に雪害による除雪対策費が多額となり、特別交付税に回せるお金が余りないということでした。

 

 

<平成18年2月臨時議会の報告> (‘06年2月)


 2月1日〜3日、笠原町との合併に伴う臨時議会を開催しました。主な内容は次の通りです。
笠原町の平成17年度一般会計・特別会計予算の歳入歳出執行残を、多治見市の平成17年度一般会計・特別会計の歳入歳出補正予算として計上し、可決されました。補正額は約26億3千万円で、主な内訳は一般会計が12億6千万円、下水道会計が4億4千万円、水道会計が1億円、国民健康保険が3億6千万円、老人保健が3億1千万円、介護保険が1億6千万円です。一般会計の主な内容は、笠原町職員人件費、財政調整基金積立金、電算システム統合費などです。また、合併に伴い11名の旧笠原町議会議員は多治見市議会の4常任委員会と3特別委員会、及び議会運営委員会に、それぞれ所属することが議決されました。なお、閉会中の継続審査となっている自治体基本条例等審査特別委員会にも、3名の旧町議会議員が所属することが決まり、2月2日には全旧町議会議員に対し自治体基本条例等の研修を行いました。

 

 

<多治見市・笠原町合併記念式典を挙行> (‘06年1月)


 1月29日、表記記念式典が厳粛に執り行われました。式典は新多治見市と新市議会が主催し、岐阜県知事代理・石黒東濃振興局長、 古屋衆議院議員、山下参議院議員、岐阜市長会会長・小川大垣市長、宮嶋岐阜県議会議員、その他近隣の市長と市議会議長、市議会議員、 区長、多治見消防分団長、民生児童委員など、約500名の出席者により開催されました。
 中道議長は、多治見市議会を代表して、次のように挨拶を行いました。
「合併は、行政が財源難にあっても、住民とのパートナーシップを確立して行政サービスを後退させることなく、遅れている都市基盤と 産業基盤を早急に整備するために行います。多治見市議会は二元代表制の一翼として、35名の議員が心を一つにして、全ての住民・市民が 合併して良かったと言えるような故郷多治見を創るために奮闘して参る所存です。」
 詳細は、「平成18年1月 合併記念式典」を参照して下さい。また、式典の中で披露されました 「平成18年1月 写真で見る新市のあゆみ」も参照して下さい。さらに、1月23日の合併当日に開催しました合併に伴う新議員歓迎式、 及び1月27日に開催されました新区長会での挨拶を、それぞれ「平成18年1月 新議員歓迎式」と 「平成18年1月 新区長会」に掲載しました。それらの中で中道議長は、新議員と新区長に対し、 新しい多治見市を共に創っていきましょうという期待を述べました。

 

 

<消防出初式と成人式を開催> (‘06年1月)


 1月8日午前9時から多治見市消防出初式が、同日の午後1時から多治見市成人式が開催されました。消防出初式は市内の13消防分団員380名と、消防音楽隊員、多治見市消防職員、市議会議員、区長、及び国会議員、県議会議員などの来賓を迎え厳粛に開催されました。出初式の式典は産業文化会館5階の大ホールで、消防団の行進と模範演技は土岐川堤防と川原で行われました。川原に設置された櫓は、木製としては日本一の高さではないかと噂されています。中道議長は式典で祝辞を、行進では市長と共に謁見を行いました。
 同日の成人式は多治見市文化会館で行われました。新しく成人した仲間は1,292名で、狼藉を働く者はいませんが、成人式というよりも同窓会の会場という雰囲気の中で行われました。例年、成人式は当事者が実行委員会を設立し、実行委員会が企画・進行することになっています。今年の実行委員会は、市長と議長に二十歳頃の3枚の写真を題材として青春時代の話をするように求めました。中道議長は二十歳頃の心の葛藤を紹介しながら新たに成人になった若者を激励しました。
ここでは、成人式パンフレットの激励文「平成18年1月 成人式」と、消防出初式での祝辞「平成18年1月 消防出初式」を掲載しましたので参照して下さい。

 

 

<コミュニティ政策学会の学会誌に投稿> (‘06年1月)


 中道議員は表記学会編集委員の山崎仁朗(岐阜大学)氏から、第34区ホワイトタウン自治会(以下、区自治会という)の活動と,新たに設立した「ふれあいセンターわきのしま(以下、センターという)」について、学会誌で報告して欲しいとの依頼を受けました。そこで、「住民自治を目指して〜第34区ホワイトタウン自治会の試み〜」と題する論文をまとめ投稿しました。その内容は、住宅団地内の中学校通学区域変更を契機として、区自治会がセンターを設立するまでの経緯、及び自治会運営と住民自治の難しさ、そして地域自治組織に対する行政への提案を行ったものです。主な提案内容は次の通りです。
地方自治の本旨は団体自治と住民自治からなり、その内の住民自治は地縁に基づいた地域自治組織の活動と、福祉や環境等の専門性に富んだボランティアによるNPO等の活動からなる。行政は自らの団体自治の改革やNPO活動へ僅かながらも支援を行っているが、地域自治組織への活動には政策も効果的な支援策もないのが現状である。
地方分権下で少子高齢化社会を迎え、自治体は財政難となり行政サービスの後退が予測される。このような社会情勢の変化に対応するため、「近接及び補完性の原理」が導入されるが、自己決定・自己責任で自立できる住民自治を行うためには、行政と協働する地域自治組織の活性化が不可欠である。このため行政は地域自治組織に対し期待する使命と将来像を早急に明確にし、支援策を講じるべきではないか。
詳細は「平成18年1月 住民自治を目指して」を参照して下さい。

 

 

<平成17年12月議会の報告> (‘05年12月)


 12月定例会は11月22日〜12月16日に開催されました。主な内容は次の通りです。
@ 条例等の制改定 9月議会に続けて、自治体基本条例に関連する「多治見市市政に関する権利侵害の申し立て及び公益通報に関する条例」が提案されました。本条例で自治体基本条例に関連する条例は6本となり、いずれも「特別委員会」で審議することになりました。9月議会で「閉会中の継続審査」とした特別委員会は、既に3回も継続審査を行っている熊本市議会への視察を初め、委員会と協議会を含めて計6回の審議を行いました。審議では、条例の名称、構成、前文及び条文の審査を行いましたが、基本的な部分に疑義が発せられ、代替案を検討しているグループもあって、さらに慎重な審議が必要であるとし、もう一度「閉会中の継続審査」となりました。なお、今回提案された「権利侵害と公益通報」の条例のうち、権利侵害の部分は平成13年9月議会で否決された「オンブズ・パーソン条例」と内容をほぼ同じとするものですが、救済機関を執行部ではなく市議会に設置するとしたところが、前回と異なり、公益通報の部分も市議会に設置するものです。この提案は執行機関の行政行為で発生した市民権利侵害の事案を執行機関が救済するという内部矛盾と、執行機関内の内部告発を執行機関が処理するという内部矛盾を回避しようとするものです。しかし現在の地方自治法はこのような付属機関を議会に設置することを想定していないので、今後さらに議論が必要です。
 次に、指定管理者の指定とそれに伴う条例の改正が行われました。指定管理者の指定は20種類、33施設に対して行われました。管理者選定はプロポーザル(提案書)方式の競争で行われ、採否は提案管理費と提案企画書を得点化した合計点数で決定されました。採点者は市職員、大学教員、NPO代表などの7名です。福祉関係施設の指定管理者の大半は多治見市社会福祉協議会が指定されましたが、中央児童館と大原児童館は(株)日本保育サービスが指定されました。また、教育関係施設の大半は多治見市文化振興事業団が指定されましたが、体育館は(株)コパン、産業文化センターは(株)ビーウエル、文化工房は(株)共栄電気炉製作所が、それぞれ指定されました。各種公園や駐車場は多治見市事業公社が指定されました。その他、市民活動支援センターは多治見まちづくり(株)、土岐川観察館はNPOリバーサイド・ヒーローズ、高齢者能力開発研修センターは多治見市シルバー人材センターなどが指定されました。指定された団体は今後4〜5年間、施設を管理することになります。
 次に、商工会議所の名誉会頭である坂崎重雄氏は、10年振り10人目の多治見市名誉市民に選定されました。坂崎氏は商工会議所会頭を17年間務められ、この間地場産業や地元経済界、及び高速道路や首都機能の誘致、合併協議会委員、教育委員会委員長など、多岐にわたり長年多治見市政に多大な貢献をされました。この度、商工会議所から坂崎氏の推薦がありましたので、市議会は満場一致で氏の多治見市名誉市民を可決いたしました。
 次に、笠原町との合併に伴う市議会関係の条例改正が議会運営委員会委員長から発議されました。改正内容は、在任特例で11名の議員が増加しますので、議会運営委員会、常任委員会、特別委員会のそれぞれの構成を変更するものです。なお、11名の議員の所属会派は公明党1名、共産党1名、市民クラブ3名、ほうづき交友会(笠原町出身議員)6名です。
また議席順は、多治見市と笠原町の事務事業数と予算規模を考慮して、笠原町議会議員の経歴年数を2分の1に換算し、町議会議員と市議会議員は経歴年数の少ない順から若番→老番としました。したがって、1番議員は笠原町議会議員1期目の加藤元司氏が、35番議員は多治見市議会議員9期目の三宅昇氏となりました。
A 補正予算等 平成16年度決算が認定されました。平成16年度の一般会計及び特別会計は、実質収支が20億3500万円の黒字でありましたが、単年度収支は連続して赤字(額は2億4000万円)です。ただし、財政の健全性を示す指標の財政力指数は0.770、経常収支比率は77.8%、公債比率は11.8%と、いずれも前年度より良好となりました。その他、東町のフロンティア・リサーチ・パーク用地の約3200坪を約2億8200万円で売却しました。売却相手は水谷産業(株)で、トヨタ系の機械部品製造会社です。また、心身障害者小規模授産所(優が丘)の鉄骨平屋建て310平方メートルを多治見市社会福祉協議会へ無償譲渡しました。さらに、ホワイトタウンの汚水処理場から市之倉下水処理場に至る汚水トンネル工事は、予想外の硬質な岩盤に遭遇したため、約2億円の設計変更増となりました。
B 意見書等 12月5日、全国議長会から国の18年度予算編成時に、意見書を提出して欲しいと要望がありました。内容は地方交付税の所要額確保と三位一体改革の二期改革実施、地方団体と中央省庁の協議の場設置などでした。市議会のルールでは、意見書案は議会招集日の翌日(今回の場合は11月24日)までに提出することになっていますが、今回は例外として中道議長が文面を作成し、「真の地方分権改革の確実な実現」と題する上記内容の意見書を可決し、関係省庁に送付しました。なお今回の経験から、提出期限の例外処置として、意見書が全国議長会の要望であること、内容が全市的な事項であること、議長が特に必要と認めたもの、などを条件とする新たな例外規定を設けました。

 

 

<第15回多治見市・笠原町合併協議会(最終回)開催>
(‘05年11月)


 11月25日、最後の合併協議会が開催されました。協議会では両市町の保育料を統一するために激変緩和措置として新しい保育料金と、笠原町でも延長保育を行うことが決まりました。また、笠原町の医師会は従来土岐市に属しますが、合併で多治見市医師会に転属することになりました。さらに両市町の区長会を統合するため、多治見市区長会の会則を改正し、笠原町の8つの区は多治見市の41区から48区になることが確認されました。次に、笠原地域審議会の委員が選出されました。委員は現町長をはじめ区長会、商工会、陶磁器協同組合、婦人会、民生児童委員協議会、教育委員会、まちづくり推進団体、公募などで選出された10名です。
その後、昨年末に調印された合併協定書が変更されましたので、変更協定書に両市町の首長が調印し、協議会委員全員が署名いたしました。会議終了後、合併協議会を解散するにあたって、委員全員が挨拶を行いました。中道委員は次のように述べました。
「今年5月の委員就任であり、主要な議論に参加できなかったが、委員のご協力で合併協議が無事終了したことに感謝を申し上げます。個人的には合併によって東濃のまちづくりを進めたいと考えていたが、4市3町の合併で中核都市を目指した合併協議会設置住民直接請求は、可児市の離脱で破綻しました。その後、3市1町で特例市を目指した合併も、投票方式の住民意識調査の結果により破綻しました。しかし、残された最後の選択肢である笠原町との合併が実現できたことは、大変喜んでいます。私はまる4年間、準備期間を入れると5年間、合併を積極的に推進して来たが、市町村合併がこれほど難しく、かつ莫大なエネルギーを必要とすることを、今更ながら実感した。この経験を教訓として、新しい多治見市の市政に反映させて行きたい。」
 なお、合併に関する今後の日程は次の通りです。
12月18日(日)10:00〜11:30 笠原町閉町式 笠原町中央公民館ホール
 1月20日(金)17:00〜 笠原町役場の閉庁式 笠原町消防会館
 1月23日(月) 8:30〜9:00 笠原振興事務所開所式 笠原庁舎前
   同日     9:30〜11:00 職員辞令交付式 本庁舎2階大会議室
   同日    11:00〜11:30 多治見市新議員の歓迎式 本庁舎全員協議会室
   同日    13:30〜14:00 事務引継式 本庁舎全員協議会室
 1月29日(日)10:00〜12:00 新多治見市誕生記念式典 産業文化センター大ホール

 

 

<第二回ローカル・マニフェスト検証大会開催>(‘05年11月)


 11月19日、表記大会が東京ビッグサイト国際会議場で開催されました。主催はローカル・マニフェスト推進首長連盟、同地方議員連盟、同推進ネットワークで、共催は「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)、早稲田大学大学院公共経営研究所、同マニフェスト研究所です。中道議員は個人として自費参加しました。
 検証大会は午後1時から5時半の間に、17名の大学教授、国会議員、県知事、県議会議員、市長、市議会議員、及び市民団体の役員が、それぞれ報告するという大変ハードな大会でした。ここでは、特に印象に残った報告を取り上げ、その概要を報告します。

「総選挙とマニフェスト」 早稲田大学大学院公共経営研究科教授 北川正恭
 民主主義は手続きが大切である。総選挙で小泉首相が郵政民営化の政策を問うたことを評価はするが、抵抗勢力に刺客を放ったことは問題である。12年前の土光臨調で後藤田正晴氏が政治と選挙の文化や風土を変えるために小選挙区制度を導入して以来、今回が4回目の総選挙であった。この間に、個人利益の最大化を目的としていた選挙は、政策中心の選挙に変わってきた。また、地方選挙はローカル・マニフェストにより、自治体に経営という理念が導入され、選挙の概念を変えてしまった。地方がゲームのルールを変えたので、次の総選挙はさらに科学的な選挙になるだろう。
従来のエモーショナル(感情的)な選挙を変え、地方から国を変えようではないか。自治体の総合計画は社会主義である。総花主義ではなく、自分はこのようにするとマニフェストで宣言し、主権者の信任を得て「まち」を大胆に変えたい。恵庭市長選挙では、マニフェストを子供の目線でビジュアル(視覚的)に漫画化した中島候補が圧勝した。

「ローカル・マニフェストへの期待」 衆議院議員(民主党) 逢坂誠二 (前ニセコ町長)
 今やマニフェストは特別なものではなく、選挙の標準装備である。そして当選後の仕事に正当性を与える効果を持つ。しかし、今はまだ黎明期で様々な様式があっても良いのではないか。中島候補のマニフェストはチャレンジ的である。マニフェストの作成を市民参加で行うと、政策決定の難しさが良く分かるし、その期限、財源を明示すると、真の地方分権がまだ行われていないことに気が付く。
私はこの度の総選挙で国会議員になったが、永田町には生きたギラギラした情報がなく、首長から国会議員に落ちこぼれたという印象を持っている。

「犬山市におけるマニフェスト評価」 犬山市長 石田芳弘
 政策形成と世論形成は異なる。選挙で約束した政策は殆んどできないことが多い。マニフェストで選挙を戦えば、トップ・ダウンで予算が組める。平成15年4月の市長選挙では、11項目のマニフェストを作り、NPOに全戸配布していただいた。2年後の今春、民間の行政改革推進委員会に評価を依頼したら、結果は40〜80点だった。自ら総合計画を作成したが、マニフェストで一貫性を持たせたら、様々な問題に気付いた。ただし、文章表現は改善する必要があり、檄文を書く必要性があると思っている。

「大阪市役所のマニフェスト型改革」 慶応大学 上山信一 (大阪市役所市政改革本部員)
 ヤミ退職金、カラ残業、ヤミ専従、市バス運転手年収1300万円、背広支給などの問題で、「市役所は大阪から出て行け」という市民の怒りを買った。今年4月、「市政改革本部」を発足させ、9月に「市政改革マニフェスト(案)」を公表し、市長選挙を行なった。マニフェストは夢やビジョンを時期尚早とし、市民信頼回復を目的とした危機対応型とした。このため、3つの診療科(改革)、38個の症状(課題)に合わせた87個の処方箋(対策)を、2年間でやり抜く事業計画書を作成した。マニフェストは変節した市長(直属チーム)と外部委員が相互学習プロセス(マッキンゼー方式)で作成した。
市民と報道機関に対しては、体系的網羅的な課題を整理して信頼回復を狙った。職員に対しては、情報の全てを一気に公開してショックと開き直りを誘発した。議員に対しては、議会の役割と監視機能の見直しを迫り、対立候補者に対しては、争点を事前に明確化してデーター等による公約の要求水準を上げた。今後の課題としては、改革の内実の担保と外部委員による進捗管理、及び目標管理文化の浸透である。

「マニフェストで変わる報道現場」 河北新聞社編集局編集委員 今野俊宏
(河北新聞社:1897年創刊、本社は仙台市、記者は約300人、朝刊発行部数は約51万部)
 宮城県は今年の後半に仙台市長選挙、衆議院選挙、県知事選挙が重なった。このため、河北新聞社は今年の4月に選挙報道の改革に着手した。
視点は、(a)キャッチフレーズや個人人気のポピュリズムを排し、政治のあり方を有権者側からどのように問い直すのか、(b)伝統的な集票構造が崩壊する中で、有権者の意識変化をどのように捉えて行くのか、であった。その鍵がマニフェストだった。
その後の選挙報道と世論調査で明らかになったものは、次の点である。
@いずれの世論調査でもマニフェストを重視するという有権者が6割を超えた。A公職選挙法と選挙管理委員会の解釈は現状に大きく遅れている。B有権者が政策を知る手段は新聞とテレビである。C報道機関は「政局報道」から「政策報道」にシフトしているが、まだ過渡期である。一方、有権者の意識は従来の利益誘導型選挙や総花的な公約に飽き足りず、具体的な「契約書」を渇望し始めている。
今後は、マニフェストの全文掲載等の詳細情報をどのように報道するのかと、マニフェストの進捗状況を絶えず検証する、及びマニフェスト作成過程で有権者の声を伝えて行くなどの必要があると考えている。

「マニフェスト型公開討論会の取り組み」LM推進ネットワーク九州ブロック代表 神吉信之
 マニフェスト型選挙の普及とマニフェスト・サイクルによる行財政改革を推進するために、この1年間に「マニフェスト型公開討論会」を11回実施した。その影響と効果について報告する。候補者には「マニフェスト型公開討論会」の趣旨を良く説明し、10日〜14日間でマニフェストを作成してもらった。
八女市長選挙では、基本理念(現状認識、目指す姿、1年以内に行なう重要施策を3つ、4年間で行なう重要施策を3つ)と、個別テーマ(行財政改革の具体策を3つ、地域活性化の具体策を3つ、それら以外の重要課題を3つ)を、横並びで比較できるマニフェストを市報に織り込んだ。選挙管理委員会はマニフェストが公職選挙法のグレーゾーンにあるため触れたがらないが、自治会長の協力により全戸配布できた。この実績に基づき玉名市長選挙でも、市報にマニフェストを織り込むことができた。公開討論会の実施により、投票率は6〜12ポイント上昇し、来場者は700〜1700人で有権者の5〜15%に相当し、会場でのアンケートによれば、約7割の人が参考になったと答えている。投票への影響例は次の通りである。柳川市長選挙は1市2町の合併により実施された。結果は、有権者数23%の旧町長が同54%の現市長を破って初当選した。当落のポイントは、マニフェストで現市長が「公共下水道は合併協議会で決定された新市建設計画に沿って実現する」と示したのに対し、旧町長は「多大な費用と期間を要する公共下水道を見直し、国の新制度と合併特例債30億円を活用し、合併処理浄化槽を一万基増設する」と示したことである。これにより、当初劣勢であった旧町長が当選した。
大川市長選挙では、福岡市職員の新人が再選を目指した現職を大差で破った。大川市は自主財源の6割を家具産業が納税していたが、納税額が最盛期の1/3まで低下した。さらに、平成14年からダイオキシン排出基準が規制強化されたため家具業者は木屑や廃材の処理に困っており、現市長が4年前の選挙で木屑処理を第三セクターでリサイクルを行なうと公約し実行した。しかし、回収率が悪く三セクが破綻した。今回の選挙でも争点となった木工業再生策で、新人の福岡市職員はマニフェストの中で、家具回収システムや木屑の発電利用で「大川家具の環境ブランド」化を示した。無名の新人が環境というキーワードを使ってブランド化を訴えたことで、選挙の流れが変わりダブルスコアで現職市長を破った。

 その他、「第2回ローカル・マニフェスト検証大会」として、上田清司埼玉県知事、古川康佐賀県知事、西川一誠福井県知事がマニフェストの進捗状況を報告し、塚本壽雄早稲田大学教授がマニフェストの第三者評価報告を行ないました。さらに、「ローカル・マニフェスト推進モデル〜岩手版〜」として、増田寛也岩手県知事、飯澤県議会議員、岩淵LM推進ネットワーク岩手副代表らが、それぞれ報告を行いました。
 なお、四選不出馬宣言を行って、明日で知事を退任するという浅野史郎宮城県知事は、マニフェストの評価について、次のように述べました。マニフェストは選挙を変えたが、市民に知られていなければ効果を発揮できない。知られない原因には、マニフェストが@難しすぎる、A簡単すぎる、B多すぎる、という問題がある。難しすぎると、公開討論会は解説の場となって、主張が不鮮明となる。簡単すぎると、「郵政民営化」のようなシングル・イッシューになって、差別化ができない。多すぎると、誰も読まない。マニフェストは、行政に対する候補者の事前評価という側面を持っており、難点もあるがマニフェストによる事前評価は重要である。

 

 

<自治体病院経営市議会協議会・地域医療セミナー開催>
(‘05年10月)


10月24日、「待ったなしの自治体病院改革」〜経営改善と医療サービスの向上に向けて〜と題したセミナーが東京で開催されました。このセミナーは全国市議会議長会が主催し、全国の市議会議長約300名が参加しました。講師は2名で、茨常利・日本医療文化研究会主宰が「自治体病院の経営改善方策について」、武弘道・川崎市病院事業管理者が「自治体病院経営改善について」〜鹿児島市・埼玉県・川崎市の病院事業管理者を経験して〜と題し、講演されました。ここでは、後者の武弘道氏の講演概要を紹介します。
 現在国と医療関係者は、今後公立病院の2割がつぶれると考えており、「日本の医療はどうあるべきか」ではなく、「病院は如何にして生き残るのか」の議論を行なっている。
その背景には、‘85年に35%の値引きがあった薬価差益がなくなった、看護師の平均年齢が41才になって年収が約2倍になった、医療費の高騰により健康保険制度が維持できなくなり来年度から診療報酬費を2〜5%引き下げざるを得なくなった、ことなどがある。
 しかし、全国にある500床以上の50の公立病院を対象とし、150項目を22年間追跡した結果、収入に占めるコストの割合をランキングすると、経営の良い病院と悪い病院はいつも同じで、各病院の経営方法は異なるということが分かった。経営の良い病院は、全体的に給与が低く、医師と職員の年齢が若く、看護師1日当りの収益が多く、外来が多くて病床利用率が高く、高度医療を行なっているところが多い、ということが分かった。
経営の良し悪しは、委託も含めた人件費の占める比率が非常に大きく関係している。病床数にもよるがコストに占める人件費の適正値は、医師が9%、看護士が15%、医療技術が5%程度であり、経営状態の悪い病院を見ると、医師が11%以上、看護士が20〜30%を占めるところもある。
一般的に、公立病院は公務員の年功序列制度により給与が自動的に上がるので、前年度並みの経営方針ではやっていけない。また、医業収支比率が75%を切れば、病院を民営化した方が良いと言われている。(注 因みに、多治見市民病院の数値は、平成14年度が83%、15年度が79%、16年度が85%である。なお、15年度の全国平均は91%である。)
病院経営の内容をよく見ると、各病院によって看護師の特殊勤務手当ての差が大きく、また看護士と医師の時間外の取り方に大きな差がある。特に医師の中には、時間外を付ける者と付けない者がおり、年収に換算すると約400万円の差が生じている。また、地方公営企業法の全部適用と一部適用の場合とでは病院経営の手法が異なっている。一部適用の病院は官僚支配が大きく自治体からの繰入金も多いが、全部適用の病院は病院長に権限が大きく繰入金も少ない。全部適用病院の利点は病院管理者が責任を持って改革が断行できることである。例えば、従来職員の顔は事務局員が本庁の方へ、医師が大学医局の方へ、ナースとコメディカルが労働組合の方へ向いていた。しかし、病院管理者(病院長)が人事権を持つことによって、病院長が求心力を持つようになり、従来の無責任体質から大胆な経営改善を行うことができようになることである。
このような経営改善を行なっても、今後の公立病院の経営は難しい。それは現在の病院が昭和25年頃に設立されたものが多く、当時に比較してマイカーが普及した影響で、医療圏が大幅に変化したためである。因みに、アメリカは人口が日本の2倍あるが、病床数は日本の約半分である。このことから人口が30万以下の自治体では、県立と市立の病院は今後並立することが難しいだろう。少なくとも職員が差別されているなどの被害者意識を持っていて、医師、看護師、検査技師、及び事務局員の和に欠陥がある公立病院はやって行けないだろう。

 

 

<10月定例三金会で中道議長が報告> (‘05年10月)


10月21日、市役所の全員協議会室で三金会が開催されました。三金会とは、多治見市内に事務所を有する主に 公的機関の長(県の振興局長、建設事務所長、商工会議所会頭、JA理事長、多治見駅長、警察署長、税務署長などの36名)が、 毎月第三金曜日の正午に昼食会を開き、各機関の実情報告や協力依頼を行い、親睦を深めるために開かれるものです。 幹事は多治見市助役が行い、会費は昼食代の1,000円です。
 報告は輪番制で行なわれ、前回は西寺市長、今回は中道議長が当番でした。中道議長は、@多治見市議会の課題、 A多治見市の課題と題して、約40分間の講演を行ないました。@は地方議会と多治見市議会の課題に分け、今後地方議会は現行の 審議機関としての機能のほかに監視機能や政策立案機能が求められるようになり、多治見市議会は当面笠原町議会との合併課題と 合併後の市議会のあり方と広報の仕方が課題であると述べました。また、Aについては、市民の雇用と市税収入の面から産業の活性化が 最重要課題であること、加えて類似団体より低い都市基盤の整備が必要であり、これらは本格的な少子高齢化社会が到来する前に、 少なくとも合併特例債の有効期間内に解決する必要があると主張しました。

 

 

<第67回全国都市問題会議の報告> (‘05年10月)


 10月6〜7日、高松市において、表記会議が「個性化がかがやく都市の再生」というテーマで開催されました。会議では市長や有識者の講演と報告、そしてパネルディスカッションが行なわれましたが、ここでは讃岐うどんのブームを創った田尾和俊・四国学院大学教授の講演概要を報告します。テーマは「讃岐うどんブームのプロモーションに見る情報発信の視点」です。
 私は地元のタウン情報誌編集長として若者を動かす情報発信を20年やってきた。その情報発信の1つが「うどん」で、今では「うどんの人」と呼ばれている。讃岐うどんのブームの走りは、1989年にタウン誌で「ゲリラうどん通ごっこ」という製麺所型のお店の探訪記を始めたのがきっかけである。探訪記の目的は、グルメではなくレジャーのつもりで始めた。うどんの歴史や文化では若い人は動かない。レジャーの面白さがあったから相乗効果が出たと思う。
ポイントは、@「人に知ってもらう情報」と「人を動かす情報」とは異なる、A目的を明確にして最も効果的な方法を探す、B若者を動かすキャッチコピーを作る、などである。ここでいう「若者」とは、年齢ではなく興味を示す人やライフスタイルの若い人を指す。つまり、人を動かしブームを創出するには「誰をどうしたいのか」、を徹底的に追及することである。
 他市でよく見かけるのは、目的がぼやけた政策だ。例えば「商店街の活性化」、「生き生きしたまち」、「豊かなまち」はスローガンまたは祝詞であり、祝詞では戦略が立てられない。活性化とは何か、豊かさとは何か、まちとは何か、を明確にして戦略を立案する必要がある。

 

 

<自治体学会の公募論文に応募> (‘05年9月)


自治体学会は、来年の年報自治体学会第19号特集テーマを「自治体における代表制」とし、論文を公募しました。中道議員は、現在行われている第28次地方制度調査会・専門小委員会での「議会のあり方」に関する議論が、議会改革をあまりにも技術的な問題に矮小化しているのではないかとの疑問から、議会のあり方を題材として「地方議会を改革するための構想と制度設計」という論文名で応募しました。公募論文は毎年行われ、その都度15編程度の応募がありますが、その内の2編が年報に掲載されています。
応募論文の内容は、自治体の意思決定に関与する首長と事務方、及び議会と議員の役割について、さらには自治体代表者の意思決定と民意との乖離について、以下の6つの仮説を立て、それぞれに対し考察を加えたものです。@首長側が戦略的な地域政策を立案できない場合、どうするのか、A議会側が合理的に審査または監視できない場合、どうするのか、B首長側の政策に難があり議会側が対案を検討する場合、どうするのか、C代表制民主主義による意思決定が民意と異なった場合、どうするのか、D二元代表性が実質的に機能していない場合、どうするのか、E選挙で分権時代に相応しい議員を選出していない場合、どうするのか、などです。
考察後、中道議員は次のように主張しました。議会は住民の代表が単に集う 場所ではなく言論の府である。より良いまちづくりを目的とする理論闘争や合意形成の場であり、自治体の意思決定の府である。しかしながら現在の議会には、キャッチアップ以前の中央集権時代の制度や慣習がそのまま温存されており、時代が求める議会の機能としては不十分である。今こそ議会を少子高齢化と地方分権の時代に適合するための制度に改革しなければならない。
新しい時代には、新しい酒と新しい皮袋が必要なのであり、選挙で審査・監視・政策立案能力に優れた議員を選出し、彼らが活発な理論闘争を展開できるように言論の府を整備することが必要だ。また、専門性が高い代議機関と民意の同質性を担保するための制度と、最終決定権は住民にあることを示す制度の整備が必要である。
詳細は「平成17年9月 議会改革構想」を参照して下さい。

 

 

<平成17年9月議会の報告> (‘05年9月)


9月定例会が9月1日から27日にかけて開催されました。主な内容は次の通りです。
@ 条例の制改定 市長から提案された「多治見市自治体基本条例」等5本の条例は、慎重に審査するため、全員一致で閉会中の継続審査となりました。
議案は自治体基本条例を最高規範として、付随する「多治見市市民参加条例」、「多治見市市民投票条例」、「多治見市長の服務の宣誓に関する条例」を制定し、併せて「職員の服務の宣誓に関する条例」の一部を改正する内容であります。これらの条例は多治見市の最上位の条例にあたるため、議会運営委員会において、「多治見市自治体基本条例等審査特別委員会」を設置し、慎重に審査することが合意されました。特別委員会は全会派から会派議員数に応じて選出された10名の委員で構成され、委員長には春田議員が選出されました。
本会議と特別委員会の質疑では、長時間に亘る熱心な質疑が行なわれましたが、その内容は条例案の問題点を指摘するものが大半でありました。このため、特別委員会では「さらに慎重な審査が必要であり、閉会中の継続審査としたい」との動議が提案され、この動議が全員一致で可決されました。そして後日開催された本会議においても、春田委員長から特別委員会結果の報告がなされ、5本の条例はいずれも「閉会中の継続審査」とすることが全員一致で承認されました。今後は特別委員会で鋭意審議されます。
多治見市部設置条例が一部改正されました。この改正は平成18年1月23日に行われる笠原町との合併に備え、執行部の機構改革を行なうものです。主な改正点は、新たに笠原振興局、危機管理監、政策開発室を設置し、農林業と交通政策の所管を都市計画部に移管します。多治見市下水道条例が一部改正され、下水道使用料が8.74%値上げされることになりました。今回の値上げは、4年毎に行なわれる使用料見直しに伴うもので、今後の財政を推計したところ大幅な赤字となることが予測されたために行なうものです。基本料金は900円から1,050円に、従量料金は30立方メートル以下の場合、1立方メートル当たり115円から120円に値上げされます。
その他、笠原町との合併に伴い新規に制定される条例が6本、一部改正される条例54本が一括で、それぞれ可決されました。新規に制定される条例は、笠原消防会館の設置、笠原町編入に伴う多治見市税条例と都市計画税条例の適用経過措置、及び笠原西コミュニティーセンター等の多治見市に類似施設がない施設の設置等の条例です。一部改正される条例は、個人情報保護条例や印鑑条例、住民基本台帳カード利用条例、職員定数条例、笠原町議会議員の報酬等の条例の54本です。また、笠原町との合併と指定管理者制度の導入に伴い、公民館、図書館、体育館、運動場等の使用料が改正されました。さらに、多治見市・笠原町合併協議会が来年の1月22日に廃止することが決まりました。
A 補正予算等 笠原町との合併に伴う電算システム改修、例規集関係費、記念式典の費用が計上されました。その他広域行政情報システム運用に係る負担金、公共施設のアスベスト調査費用、ボランティア団体による有償運送の協議会費用、滝呂老人センターの浴槽ボイラー改修工事費、損傷の著しい市道や危険な交差点を改良するための費用、精華小学校と養正小学校の改良工事、学習意識調査アンケート費用等、合計6.7億円が補正されました。また、介護保険事業特別会計は介護保険の法律が改正されたことと合併関係費を合わせて、6,600万円が補正されました。なお、平成16年度の多治見市水道事業会計決算と、平成16年度の多治見市病院事業会計決算が、いずれも認定されました。
B 意見書等 「自治体病院の医師確保対策を求める意見書」、「がん対策の推進強化を求める意見書」、「リフォーム詐欺から高齢者を守るための対策強化を求める意見書」が、それぞれ全員一致で可決され、「道路特定財源制度の堅持に関する意見書」は賛成多数で可決され、それぞれ関係省庁に送付されました。

 

 

<国道248号南バイパス取付市道が開通> (‘05年9月)


 一部地権者の事情により、国道248号南バイパスの全面開通が遅れていますが、大規模住宅団地のホワイトタウン進入路への 取付市道(通称ランプ・ウエイ)は、9月13日に開通式が行われました。
ホワイトタウン周辺の住宅団地には、多治見市の人口の約1割に相当する住民が居住していますが、住民の大半は名古屋圏に通勤しています。 通勤者はバスや自家用車を利用していて京町で国道248号に合流するため、中心市街地の慢性的交通渋滞の大きな要因となっていました。 この渋滞を軽減するため、通勤者が京町や錦町を経由せず直接国道19号や愛岐道路に乗り入れることができるように、このランプ・ウエイは 計画されました。
ランプ・ウエイは「多治見市南部地区道路整備促進連合会」が構想したもので、平成9年11月に開催された第1回総会で公表され、 地元住民の要望を受けて多治見市が計画施工したものです。道路の延長は約600m、工費は7.7億円です。
このランプ・ウエイの完成によって、従来ホワイトタウンから国長橋南詰の交差点まで15〜20分かかっていた通勤時間が5分に 短縮されると共に、国道248号の京町から錦町間の慢性的交通渋滞が軽減されることになりました。ランプ・ウエイは構想立案から 僅か8年で完成いたしました。関係者の大変なご努力に深甚なる感謝を申し上げると共に、一日も早い南バイパス本線の開通を祈念いたします。
なお、後日行われた248号ランプ・ウエイ開通の効果とルートは、「平成17年10月 ランプ・ウエイ効果」を参照して下さい。

 

 

<政策研究会は自治体基本条例構造の代替案を策定> 
(‘05年8月)


 8月25日、9名の議員有志からなる政策研究会(岡田智彦座長)は、9月議会で提案される予定の「多治見市自治体基本条例(案)の構造」に対する代替案を策定しました。案は過去11回の議論を踏まえて、条例案が市議会に提案される前に審議の参考資料とすべく全議員に配布されました。案は執行部案の問題点を解消するために策定されたもので、原案との主な変更点は次の通りです。@第2編「市政の原則と制度」と第3編「市政の主体」の順序を反転した。A第2編第1章「総合計画」は、第3編第3章第25条の位置づけに降格した。B第2編第6章「市民投票」は、第3編第2章第23条に変更した。C第2編第7章「政府としての多治見市」は、第1編「総則」第3条第3項に変更した。D第2編第8章「危機管理」は、第3編第5章に変更した。E第4編「最高規範と改正」は、第1編「総則」第4条に変更した。Fその他のものとしては、「政府としての多治見市」の項には「基本理念」を盛り込み、「市政の原則」には「監査」の項目を置きたい、としています。
本条例は、多治見市の最高規範となるため、9月議会では慎重なる審議と活発な議論の展開が期待されています。
後日、中道議員は所属する会派(市民クラブ)から基本条例等に関する意見を求められましたので、個人として「多治見市自治体基本条例等に関する論点整理」という見解(「平成17年10月 自治体基本条例論点整理」を参照)を提出しました。

 

 

<2つの雨水ポンプ場完成> (‘05年8月)


笠原川右岸ポンプ場と土岐川右岸ポンプ場が完成し、8月12日には平和町で、同21日には前畑町で、それぞれ住民説明会が行なわれました。両ポンプ場は平成12年9月に発生した水害に対する対策として約45億円をかけて建設されました。当時の水害は予想外の集中豪雨によって急増した内水(土岐川堤防より住宅側に溜まった水)を、外水(土岐川)に排水しきれなかったため発生しました。(水害に対する中道議員の基本的な政策は、平成12年12月議会の一般質問、「9月に発生した豪雨災害の抜本的対策を急げ!」を参照して下さい。)
この経験により、土岐川右岸ポンプ場は内水による被害を軽減するため、前畑町の池田下水処理場内に従来の排水機能に加えて毎秒8.3立方メートル(時間降雨強度50o)の排水機能をもつコラム形水中ポンプを増設しました。
また、笠原川右岸ポンプ場の建設については、従来の内水排水経路が土岐川左岸と笠原川右岸で囲まれた市街地の内水を、一旦土岐川の河床部地下を横断して池田下水処理場に流入・処理し、土岐川に排水するという基本構造になっています。しかし、池田下水処理場は処理・排水能力に限界がありますので、限度を超えた内水を一旦笠原川の河床部地下を横断して平和町の脇之島川に放流し、国土交通省の脇之島ポンプ場で土岐川に排水するという補助構造を併設しています。ところが、脇之島ポンプ場にも排水能力に限界があるため、この排水経路の構造が平和町の水害の大きな要因となっていました。そこで、上記区域内の内水が平和町に流入するのを防止するため、笠原川右岸に毎秒10.1立方メートル(時間降雨強度50o)の排水能力を持つポンプ場を建設したものです。
今回、この2つのポンプ場の完成によって、土岐川両岸低地の内水対策は飛躍的に向上しました。しかしながら、排水能力は費用上の問題から7年降雨確率に留まっており、目標の30年には達していません。しかも、最近は異常気象により時間降雨強度が70〜100mmという集中豪雨が記録されているため、油断はなりません。また外水対策についても、国土交通省が所管する土岐川は、目標とする30年降雨確率に対処できる河川整備状態にまでは至っていません。このことから多治見市は、今後も継続的に河川の整備を国土交通省に要望する必要があり、私たち住民も現状を良く把握し、自衛することが必要だと考えています。

 

 

<第54回岐阜県消防操法大会開催> (‘05年8月)


 8月7日、表記大会が岐阜県垂井町で開催されました。消防操法大会は毎年県下の自治体が輪番制で開催するものです。今年は市町村合併により例年より少ない37の自治体が参加しました。多治見・笠原地区からは、14の消防分団を代表し、共栄分団が出場しました。
 操法大会は、火災発生時に消防車が現場に到着後、いかに早く放水するのかを競うものです。具体的には、消防車が現場に到着後、消防ホースを貯水槽に着水させ、放水ノズルを被災地まで運搬して被災家屋に照準を合わせ、消防ポンプを駆動して放水するまでの時間を計測します。ここまでを第1戦と呼び、基準タイムは55秒です。次に、火災が隣家に飛び火した場合を想定し、第1戦が終了後、別の消防団員が被災地から消防車に消防ホースとノズルを取りに帰って、再度被災地に運搬し被災家屋に照準を合わせ、消防ポンプを駆動して放水するまでの時間を計測します。これを第2戦と呼び、基準タイムは65秒です。競技は経過時間の長短を競いますが、同時に競技者の操作の正確性、敏捷性、そして動作の美しさも評価の対象になります。
 多治見市の共栄分団は、第1戦が55.57秒、第2戦が64.24秒で、37分団中11位でありました。演技時間は審査も含めて15分程度でありますが、大観衆が注目する炎天下で、約10ヶ月間の練習の成果が試されるという大変緊張を強いられる競技であります。この競技大会は自治体消防分団の操法技術の向上に大きく貢献しており、その技術によって住民の生命と財産が守られています。中道議長は、7月31日に共栄公民館で行なわれた壮行会で激励の挨拶を、大会で行なわれた現地終了式においては慰労と感謝の挨拶を述べました。

 

 

<市制施行65周年記念表彰式開催> (‘05年8月)


 8月1日、地元の国会議員、県議会議員、県下近隣の首長と議員、及び国県の職員や市民、約400名が参加して表記表彰式が開催されました。表彰を受けられたのは、地方自治の振興や発展、教育・学芸・体育その他文化の振興、産業の開発や振興、保健衛生の改善や向上、交通安全・水火災の防護等への貢献、そして特に市民の模範となる美事善行、市勢の振興への貢献、市の公益のための多額の私財の寄付など、63の個人と団体です。席上、中道議長は主催者の一員として市議会を代表し、次のような挨拶を行ないました。
「多治見市は昭和15年に市制を施行してから65年が経過しました。この間、本市は市町村合併を繰り返し、人口が26,000人から約4倍の106,000人に、面積が35キロ平方メートルから約2倍の78キロ平方メートルと発展を続けてきましたが、今後は低成長時代の少子高齢化社会を迎えるため右肩上がりの成長は望めません。また、国の地方分権化政策により、今後都市間競争が激化することが予想され、多治見市も例外ではありません。しかし多治見市には、地場産業を核とする自治体経営資源が数多くあります。それらをIT産業と結びつけ「歴史と文化と芸術が香る緑のまち」というコンセプトでまちづくりを行なえば、素晴らしい多治見市ができるのではないでしょうか。現在、多治見市は座してジリ貧を享受するのか、それとも市民の創意工夫と協働によって新しいまちづくりを始めるのかの岐路に立っています。どうか、市民の皆様の知恵と力をお貸し下さい。」詳細は「平成17年8月 市制記念挨拶」を参照して下さい。
その後、多治見市出身の芥川賞受賞者の堀江敏幸氏が「帰属しないことについて」と題して講演を行ない、すべての行事が終了しました。

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