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平成14年12月11日

第6回合併協議会への質疑

3. 財産の取り扱いについて

 @ 私は各市町が持っている正の財産も負の財産も全て持ち寄って既得権をなくし、新市は新たな出発を行うべきだと考えています。その理由を述べます。

例えば、8月に開催された第4回新市建設計画作成小委員会の資料をもとに、各市町の財産区財産と企業会計などの起債残高と経常収支及び繰出し金を比較すると別紙のようです。別紙の表を詳しく説明する時間はありませんが、要点は次の通りです。

上段の表に示すように、多治見市は4つの財産区で約54億の財産を持っていますが、中段の表に示すように、今後の10年間に病院や上下水道などの企業会計で約294億円の赤字が発生し、下段に示すように、トータルとして240億の負債が発生します。

次に、土岐市は7つの財産区で約161億円の財産を持っていますが、今後の10年間に、企業会計で659億円の赤字が発生し、トータルとして約500億円の負債がでます。

同様に、瑞浪市は10年間のトータルで約95億円の負債が発生し、笠原町は財産区がなく、10年間に企業会計で約62億円の負債が発生いたします。

 ただし、ここで各市町の財産を正確に比較するには、この他に公共料金の格差是正のための経費や、財政調整基金などの積立金を含むバランスシートも考慮しなければならないし、今後10年間の財政計画を考えますと、財政力指数や経常収支比率も検討しなければなりません。結論として、何が言いたいかと申しますと、現在見えている各市町の財産の過不足を議論しても余り意味がないと言うことです。

このため、私は3市1町が合併するに当っては、旧来の既得権を廃止し、新市の住民は全てが平等であるべきだとする原点で、合意する必要があると考えています。

A そこで提案があります。新市では全ての財産区や入会権を廃止し、各市町の全ての不動産は新市に寄付を行い、既得権者は借地料を支払って利用権を確保したらどうか、という提案です。少なくとも、新市では、財産区に対する繰入金をなくすべきです。

そもそも財産区は、敗戦後のポツダム宣言によって地域住民に委託された不動産が、昭和の大合併時に合法化されたものです。その後、政府は昭和41年に法律を作って入会権や財産区をなくそうと努力しましたが、法律がうまく機能せずに現在に至っています。

戦後50年以上経過した現在でも、このような制度が温存されていることが不自然です。合併後の新しい「まち」には、新しい制度が相応しいと考えます。

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