イラク問題の平和的解決を求める意見書
イラクの大量破壊兵器開発疑惑問題に対し、国連監視検証査察委員会は、昨年11月の安全保障理事会決議1441に基づき鋭意査察を行ってきましたが、3月7日に、その査察結果の報告が行われる運びとなりました。この度、報告書の草案骨子が公表されましたが、その内容はイラクの査察への協力や武装解除に取組む姿勢や査察成果を、「非常に限定的だ」としています。
これに対しアメリカとイギリスは、イラクが決議1441によって与えられた「最後の機会」を逃したとし、武力行使の承認を得る内容の決議案を、安全保障理事会に提出しました。
一方、フランスとドイツ及びロシアは、武力行使は最終的な手段との立場から、査察をさらに120日間継続して武装解除を段階的に進め、その進捗状況を定期的に報告する内容の覚書を、安全保障理事会に提出しました。
これらの情勢の中で、2月25日、川口順子外務大臣はアメリカとイギリスの決議案をイラクへの外交的圧力の一環として「支持」する方針を示し、アメリカの多数派工作に協力するため、非常任理事国に働きかける意向を示しました。
現在、国連安全保障理事会では、大多数の国が査察の継続や平和的な武装解除を求めており、世界中で平和的解決を求める市民の声が大きく広がっています。
いうまでもなく、日本国憲法第9条は、「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と謳っています。
私たちは、いまこそ憲法の精神に則り、イラクの大量破壊兵器開発問題については、軍事力によらずあくまでも平和的に解決によるべきであると考え、日本政府がそのために国際社会において積極的な役割を果たすことを求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成15年3月7日
多治見市議会
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