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平成14年7月18日

意見書の提案説明と質疑応答(本会議・会議録の抜粋)

(中道議員) それでは、住民基本台帳ネットワークシステム稼働延期を求める意見書を提案させていただきます。

住民基本台帳ネットワークシステムは、「電子政府」を目指す上で行政に極めて利便性が高く、国民にとってもどこにいても住民票の写しがとれるなど、多くのメリットがあると言われています。

しかしながら、本システムを本年8月5日にスタートさせることは、先頃の防衛庁の情報公開請求リスト事件に見られるように、今後、行政機関内部でも違法行為が起る可能性があります。

システム稼働の条件とされた個人情報保護法案は、多くの不備を指摘されて、今国会での成立が断念され、個人情報を保護する十分な法制度がない状態での実施については、次のような主な問題点があります。

1. 行政機関内部や行政機関相互の個人情報の利用・提供が容易であり、情報の漏洩や悪用・乱用の危険性があること。

2. データベースを検索できる資格者を限定するなどの厳格な取り扱いを定める必要があること。

3. 住民の個人情報を提供できる市区町村において、情報漏洩があった場合でも、調査依頼の請求権もないなど、提供情報の開示請求や調査権が市区町村に与えられていないこと。

以上の問題点などから、住民基本台帳ネットワークシステムの稼働にあたっては、懸案の個人情報の保護を確立してから稼働すべきであり、将来に禍根を残さないよう、政府、国会に慎重なる対応を求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。

平成14年7月18日、多治見市議会。

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣あて、であります。

以上、宜しくご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。

(若尾議長) これより質疑を行います。本案について質疑はありませんか。

(28番議員) 提出者にですね、ちょっと質問いたしますが、最初は、ちょっと意地悪な質問をいたしますので、もし差し支えがございませんでしたら、お答え下さい。

一つはですね、あなたは自民党の党員ではないということをお聞きしております。そこでですね、あなたの所属している後の議員は、全部自民党の党員ですか。どうですか。

そして、もう一つはですね、この度の提出者のあなたは、その所属会派の総意の立場で提出者になっておられますか。個人的な立場で提出者になってみえますか、どっちですか。

それと、もう一つはですね、もしこの会派のですね、総意としてあなたが提出者になってみえるというならば、これはね、私たちでは考えられない出来事。なぜなら自民党のですね、私たちは会派と思っているんです。ところが、あなたは自民党の党員ではない。そういう人が総意として、もし提出者になってみえるということはおかしなことです、これ。もしそれをね、許してみえる所属会派の人でしたら、これまた、私たちでは考えられない出来事だと思いますが、まず、こんだけに答えて下さい。後で、もう少し聞きますので宜しくお願いします。

(中道議員) M議員の質問にお答えいたします。まず、私は自民党員ではありませんが、他の会派のメンバーは全部自民党員か、という質問に関しては、これは個人的な情報でありますので、私から答えることは差し控えます。

2番目の、今回の意見書は会派の総意として出しているのか、というお話でありますけれども、私どもは、このためにだけに会派の例会を持ちまして決めたことであります。いろんな意見がございましたけれども、一応、会派の総意としてこの意見書を提出する。提案者は会派の会長である私が行うということであります。

3番目の自民党と中央の自民党と会派の件でありますけれども、私どもはあくまでも多治見市議会の会派でありまして、党派は関係がありません。したがって、党員がいようがいまいが、それは関係がありませんというふうに考えております。それぞれ個々の政策について、一致団結して多治見市政を実行していく、そういう立場にありますので、宜しくご理解のほどを賜りますよう、以上であります。

(28番議員) また意地悪な質問ですが、今、おっしゃったことについてですが、この会派の代表であるとおっしゃったんですね、今。会長、会派の会長。会派の会長であるあなたがね、所属会派のね、自民党の党員であるかどうかを知らんようなね、こんな状況はおかしいですよ。会派の会長になってみえる以上、それは、どうですかね。あくまでわからんということでしょうかね。おかしいんです、これは。

 それとですね、もう一つはね、このね、ネットワークシステムは小渕内閣の時にできあがっとる法律なんです、これ。自民党主導です。それをね、自民党の配下に見えるね、あなたの所属してみえる大勢の議員さんがですよ、こんな自分たちの党の政策に弓を引くような意見書を出してよろしいですか。それを、まず、ほんだけ答えて下さい。また聞きますので。

(中道議員) M議員の再質問にお答えいたします。先ほど、会派の所属の党派に所属するかしないかということに関しましては、先ほど述べましたように個人的なプライベートな状況でありますので、把握はしておりますけれども、この場で述べることは差し控えたいと申し上げました。

 2番目の会派は、私どもは自民党クラブではありません。市民クラブであります。市民クラブの会則を作り直しましたけれども、そこには、自民党の規約を承認せよという条件はありません。したがって、私どもの市民クラブはどのような政治信条を持とうとも、それぞれの個々の多治見市政によって同意できるのであれば、それは集まる。そういう会派であります。

 最後のもう一点、M議員が、一番懸念されている指摘のことでありますけれども、政府与党、自民党を初め3党が決めたことに対して、保守系の会派が反対することに問題はないかということでありますけれども、余り好ましいことではないだろうというふうに認識はしております。

しかしながら、私どもが住基ネットの稼働延長を求める理由は、先ほどの提案説明でも申し上げましたので、再度述べません。しかし、稼働の延期を求める声は、私ども市民クラブだけではありません。他の会派の方も同調して頂きました。

例えば、全国の自治体のうち、福島県、鳥取県、岩手県、三重県の4県と、国分寺市や国立市などの61市町村が、この問題に対する決議、または意見書を既に採択しています。福島県では全員一致で採択しています。また、日本弁護士連合会の全国の自治体に対するアンケート調査でも、回答のあった1,490団体のうち、延期すべきというのが210団体、どちらとも言えないというのが892団体で、全体の74%の団体が、この住基ネットの稼働に対して何らかの懸念を表明しておられます。

しかも、この7月4日に開催された超党派の国会議員団による住基ネットの8月稼働に反対する決起集会には、自民党の亀井前政調会長、中川広報本部長、塩崎厚生労働部会長代理を含む7名の自民党国会議員団が参加しています。

このように自民党といってもかなり幅の広い意見がありまして、そして、その意見を公に発表できる、ある意味では大らかな側面を持つ政党であるというふうに推察しております。ましてや、この地方分権の時代に、中央の意見に無条件に従うというのは、時代錯誤もはなはだしいと考えておりますので、宜しくお願い申し上げます。以上であります。

(28番議員) 次に、お尋ねいたしますよ。6月議会におきましてね、個人情報保護法案に関する意見書のこの採択におきましてですね、当議案にですね、この当議案というのは、個人情報保護法案のことなんですが、これに否定的な態度をとられたのが提出者です。

今回の意見書はですね、その否定的態度をとられた法案のですね、成立が前提の意見書であるようであります。これは、大いに矛盾することではありませんか。もし、このですね個人情報保護法案が、国会において成立できなかった場合は、永久にこの住基ネットシステムのですね、稼動を延期するということになりますよ。それでよろしいんですか。それを一つ、まずお答えいただきたい。

それとですね、これ確認ですが、この住基ネットシステムのですね、実施と個人情報保護法案の成立はあくまでセットですか、それだけ、まずお答えください。

(中道議員) M議員の3度目の質問にお答えいたします。私ども市民クラブは6月議会で個人情報保護法案の慎重審議及び修正を求める意見書に賛成いたしました。にもかかわらず、今回、住基ネットの稼動を延期する意見書を提出するのは、個人情報保護法案の早期成立を意味しており、矛盾するんではないだろうか、そういう質問でごさいますけれども、私どもの前回の個人情報保護法案の慎重審議を求める意見書は、法案の内容に不備があったため慎重なる審議を求めたのであって、法案の趣旨には反対していません。問題箇所の修正を求めたものであります。

 これに対し、今回の意見書は住基ネットを稼動する前提条件である個人情報の保護が担保されていないために、個人情報の保護が確立されるまで稼動を延期せよという趣旨の意見書であります。決して、個人情報の法案の成立を急げというものではありませんので、誤解のないようにお願いしたいと思います。

 もう一つ、個人情報保護法案と今回の住基ネットの稼動はセットで考えるのか、というお話でありますけれども、私どもはあくまでもセットであれば一番より良い訳ですが、完全を期すためにかなりの時間がかかるのであれば、この住基ネットに関するものの部分だけ個人情報が守られれば、それでも良いと考えております。

例えば、今国会の会期が延長されました。個人情報保護法案の全体の見直しが難しいのであれば、少なくとも住基ネットの稼動に必要な部分だけを、住民基本台帳法施行に伴う個人情報保護法案を成立させるべきだろう、というふうに考えています。専門家によれば、この部分だけの法律であれば、一日でもできるそうであります。

やはり、それくらいの努力はすべきだろうと思いますし、あくまでも国が住基ネットを施行するための前提条件として、自ら決めたことを自ら破ることだけは避けていただきたい。このように考えておりますので、よろしくお願いいたします。

(若尾議長) 28番議員の本件に関する発言は、すでに3回に及びましたが、会議規則第55条のただし書きの規定により、特に発言を許可いたします。

(28番議員) この個人情報保護法案と住基ネットシステムの関係なんですが、これは今年の5月29日、衆議院内閣委員会でね、内閣官房長官の発言といたしまして、このね、個人情報保護法案がですね、成立すると否とにかかわらず、改正住民基本台帳法に定めるところにより、8月に施行することを義務付けられている。また、政府としては個人情報保護法案を国会に提出したことにより、同法付則第1条第2項の所要の措置を講じたことになる。

こういう国会でのね、官房長官のね、答えがあるんです。このことをあなたはご存知ですか。ご存知でないかということだけ、お答え下さい。

(中道議員)  M議員の4度目の質問にお答えいたします。もちろん承知しております。

政府としては、当然、法案を提出したことによって、自分たちの役目を果たしたと考えるのが当然であり、それを決めるのが国会であります。だから、国会議員がこれの不備を修正し、動議を出し、求めて行くのが当然であります。それが国会で決めたことですから。

したがって、私どもは国会議員に先ほど言いましたように、その部分だけでも、一日かけてでも審議をやって、住基ネット施行に伴う個人情報の法律を新たに作ってもいいじゃないか、というふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。以上であります。

(19番議員) 提出された意見書に関してですけれども、セキュリティーのこと等々、ご心配の面での意見書だと思っておりますけれども、まず、基本的に住民基本台帳法というのは、これは何の特別法だとご理解していらっしゃるのか。また、その内容をご存知であればお聞かせを願いたい。

それと、また、セキュリティーに関してですが、政府が今力を挙げてやっていることがございますが、それを把握しておられるかどうか。把握しておられたなら、その手法・方法をご説明願いたい。

それと、M議員と重複するわけでございますけれども、改正住民基本台帳法、これの同法付則第1条第1項の規定、これを細かく知っておられるなら、お知らせを願いたい。とりあえず最初に、それだけお願いします。

(中道議員)  T議員の質問にお答えいたします。今回の住民基本台帳法は何のための法かというお話でありますけれども、これは住民基本台帳ネットワークシステムを稼動させるための法であります。何の特別法については、私は正直、いま承知しておりません。いま、住民基本台帳の法案は、全部ここで持っておりますけれども、細かい内容については、承知しておりません。

 2番目のセキュリティーの方法についても、一応政府は完璧であるということは承知しておりますけれども、私は専門家ではありませんので、そういう細かいことについては、詳しく承知しておりません。

 3番目の法案についての内容については、今一度申して下さい。ここに法案を持っておりますので、次にお答えしたいと思います。

(19番議員) 誤解されているところが、僕はあると思うんですが、この前述べられた個人保護法案、これとですね、住民基本台帳法というのは、もう既に施行されている行政機関個人情報保護法等の特別法なんです。つまり、もう今行政ですね、個人情報の特別法というのが施行されているわけです。個人の情報をここまで出しちゃいけないよ。ここまで守ろうよというのは、各市町村やっているわけです。それと、国会で論じられておるものと、私はミックスされて受け止められていると、今感じておりますけれども、もう既にですね、この住民基本台帳法の中で各市町村がですね、そういう施行されている個人情報の保護に関して十分に、ある程度守られている面があるわけです。そのあたりをご承知になって、今のこの意見書というこうは、私はおかしなもんかと思いますし、また、セキュリティーに関しても詳しくわからないという中で、1番と2番が挙げられているというのが、私はどうも飲み込めないわけでございますけれども、そのあたりはどういうことで、1番、2番がそのセキュリティーに関して不備だとおっしゃっておられるのか、その根拠をですね、言っていただきたいと思いますが。

(中道議員)  T議員の再質問にお答えいたします。質問者にお願いしたいんですが、持って回った質問をするよりも、ストレートに聞いていただいた方が、答弁は早いかと思います。

要は、住民基本台帳法がありまして、それを補完するような形で、確かに行政機関個人情報保護法案があります。この問題点についてお話します。

確かに行政機関個人情報保護法案があり、そこでは、利用目的を特定することや、目的外の使用禁止、個人の開示請求権や訂正請求権などは、ここで決めています。

しかしながら、この法案は@本人や第三者の権利や利益を不当に侵害しない条件、A事務の遂行に必要な限度内、B相当な理由があるなどの理由があれば、目的外の使用も認められています。しかも、この理由の正当性の判断は、個人情報を持っている行政機関の長に全てゆだねられています。さらに法案は、市民の開示請求や訂正請求、利用停止請求権をも求めていますけれども、第三者の個人情報が入っていると開示しなくても良いことになっており、この判断も行政機関の長にゆだねられています。

つまり、このように、この行政機関個人情報保護法案についても行政機関の裁量を広げ、しかもそのチェックする仕組みを欠いたこの保護法案は、個人の情報を保護するものとはとても思えません。したがって、今回の意見書を出しております。

もう一つ、システムの安全についてというお話でありますけれども、私どもはそこで、詳しいことは専門家ではありませんから、わかりませんけれども、そこに書いてある、例えば、いわゆるデータベースを検索できる資格者限定の厳密な取り扱いを定めることと、私どもは述べてありますけれども、現在のデータベースを検索できる例えば多治見市の市役所の職員は、ほとんどコンピューター情報に関する資格は持っていません。5人のIDカードを持ったグループ制の中で回されているだけです。

私どもは、そういった状況では、やはり漏洩する可能性が大きいだろう。したがって、例えば経済産業省の所管する財団法人の日本情報処理機関開発協会は、情報処理技術者試験を実施しています。試験はコンピューターの情報システム開発と、情報システム利用及び独立機関の試験に区分されていますけれども、個人情報に必要な試験は情報セキュリティー・アドミニストレーター試験であり、監査に必要な試験はシステム監査技術者試験であります。このような試験の資格を取ったらどうかと、というふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

(19番議員) 最後の質問として、今の地方行政を見ますとIT化を進めようとする国の方針、これに関して、それじゃ現場はどうだということであります。要は、これを8月5日にやるんだよという、そういう期間を決めておかないと、いつまでたっても、これは日本を2,005年にITの世界の一等賞になるという目的を達することは、相当無理だと私は感じます。

今、中道議員の答弁の中にもあったように、今の多治見市を見ればどうだと、基本はそれなんですよ。それに拍車をかけるのが住基ネットの早期成立だと、私は思っておりますが、その辺だけ最後、ご意見をお聞かせ下さい。

(中道議員)  T議員の三度目の質問にお答えいたします。住基ネットの稼動を遅らせれば電子自治体、IT化が遅れるのではないだろうか、そういうご質問に対してどう答えるのか、というご質問だろうと思います。

私どもは住基ネットそのものに会派としては反対しておりません。必要であるだろうと考えております。ただ、これだけ問題の大きいところで、今、急ぐ必要はないだろう。やはり個人情報をきちっと決めるべきだろうというふうに考えております。そのことによって、自治体のIT化が遅れるのかということでありますけれども、この部分については間違いなく1ヶ月なのか半年なのかは遅れます。ただ、今、T議員がおっしゃられるITモデル都市が遅れるのではないだろうかという話に関しましては、そのような理解はしていません。

といいますのは、今回の住基ネットシステムは総務省の所管であります。一方、ITモデル都市の所管は経済産業省の所管で、縦割りの行政の弊害の典型で、このシステムの互換性は全くありません。したがって、住基ネットの稼動を遅らせたとしても、多治見市のITモデル都市構想の進捗には全く影響がありません。

また、所管の省庁が異なりますので、稼動延期による国からの影響もないと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。以上であります。

(22番議員) 提出者にお伺いします。この住基ネットですね、この8月5日から稼動するということで、我々K党としましてもね、先ほどから問題になっております個人情報保護法案の成立することが望ましい、こういった思いでおりましたが、今の国会の情勢等で、今国会での成立ができない、やむを得ないという状況でありますが、住基ネットにつきましては、ご存知のように3年前から、その準備が進められておりまして、その法案の中にも8月5日が明記されております。そういった状況の中で、この住基ネット、改正住民基本台帳法の中にも様々な個人情報の保護に関する措置が、私は講じられておると思います。

提案者のお話を聞いておりますと、それでもまだ不十分だと、どこまで完璧にすればいいのかなと。どの法案も完璧なものは、私はないと思っておりますし、この個人情報の保護法案ができたとしても、やはりそれを運用するのは人であって、法案そのものが保護するわけではありません。あくまでもそれを運用する人であります。だから、必要はわかりますが、余りにも完璧なものができなきゃだめだとなると、これは一生涯できないことになると私は思います。

そういったことを踏えましてね、ちょっとお伺いしますよ。T議員の方からもセキュリティーについて色々あったわけですが、この基本台帳法の中にですね、各市町村、都道府県、指定情報処理機関等の個人情報の提供を受ける各行政機関のシステムを操作する方、また、自治体によっては委託業者を使うところもあると思いますが、そういった方について、この守秘義務を課しておると思うんですね。これが、この住基ネットの法案の中には、通常よりも重い罰則が科せられていると私は理解しておるんですね。そういった部分でもセキュリティーを補完しておる。

それともう一つ、平成14年6月10日に告示されました電気通信回路を通じた送信、または電磁ディスクの送付の方法、並びに電磁ディスクへの記録、及びその保存の方法に関する技術的基準、平成14年総務省告示第334号によって、市区町村、都道府県、地方自治情報センター等の関係機関は、十分な個人情報保護措置を講ずることが義務付けられておる。こういったことも明記されておりますね。

それから運用面においても、全地方公共団体が取り組むべき体制、規定等の整備、監査体制の確立等のセキュリティー対策の指針について、47都道府県で構成される住民基本台帳ネットワークシステムの運営を一部停止するなど、地方公共団体と指定情報処理機関において緊急時対応計画を作成することが謳ってあるわけですが、そういったことを踏まえて、それどもまだまだ、これでは不十分だという認識で、今回の意見書になったのか、その辺のご意見をお伺いします。以上です。

(中道議員) H議員の質問にお答えいたします。この個人情報を保護するという問題につきましては、三つの点から検討する必要があります。H議員が指摘されました1つはソフトを中心としたシステム、それを扱う人の問題。もう一つは、それを保護する法案の問題であります。

まず、システムについてお話しますけれども、総務省は確かにこのソフトは完璧なものだとおっしゃいます。しかしながら、全国統一のソフトだから、システムの隙間からハッカーに侵入される恐れはないとの考えですが、逆に一旦進入されれば全ての情報が漏洩する恐れがあり危険と考えます。およそ、アメリカの国防省にもハッカーは侵入しますので、マニアックなハッカーにかかれば、住基ネットはいとも簡単に進入されると考えておいた方が無難であります。現在のソフトは日進月歩で毎日進歩しており、どんなソフトでも安全だということは、あり得ないというのが、コンピューター業界の常識であります。

次に、人の問題でありますけれども、守秘義務で通常より重い罰則を科しているというお話でありますが、確かに平成11年の住民基本台帳法を改正する時に、守秘義務違反に対して従来よりかなり重い罰則、つまり、2年以下の懲役、または100万円以下の罰金を科しています。公務員の世界では、100万円の罰金は確かに重いでしょう。

しかし、民間のカード会社、小口金融の会社にとって、住基ネットから得られる全国の資料は何億円もの価値があるわけです。罰金100万円の費用対効果を考えれば、決して我々民間の価値判断からすれば、通常より重い罰則とは考えていません。

そこで、法案で個人情報を守る法案をきちっと詰めたい、そういう趣旨がこの意見書の趣旨でありますので、よろしくお願い申し上げます。以上です。

(若尾議長) これをもって質疑を終結いたします。

 この後、公明党と市民政策会の代表者から、それぞれ意見書に対する反対討論がありました。また、市民ネットワークは賛成討論を行いました。

その後、市議会は採決を行い、意見書は賛成多数で可決されました。

以上


            

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